そうさてたのだ

暑いね…なんか今夏は40°が普通になるいうてるよの私がままよです。

昨日はね、十三のセブンシアターで坂本頼光さんの無声映画のイヴェント。

第5回か。その他落語会との兼ね合い等々で2回4回5回が参加。

…第3回なんで行かれへんかってんやろ?被ってる落語会ないのに。

斉藤寅次郎の無声映画時代の「石川五右衛門の法事」…タイトルからしてオモシロそぉでしょ?

得意のスラップスティックコメディ…早い話がドタバタ喜劇で。

斉藤寅次郎監督は新東宝に凝ってる時よぉ観たなぁ。浅草芸人総出でね。

で。今回の主眼。

「何が彼女にそうさせたか」。

これは逸話の多い映画でね。長らく幻の映画だったんだけど、ロシアまで行って

探してきはってんね。それで1994年に復元復活したと。

ド頭とお尻が消失してて、そこは字幕で補う。

オレは未読だけど、S嬢によるとここいらの経緯は「映画探偵」という本に詳しく載っているのだそうな。

この「何が彼女にそうさせたか」制作当時の帝国キネマ演芸映画の創始者、社長さんが山川吉太郎さん。そのお孫さん…この人がロシアで探してきはった…山川暉雄さんがセブンシアターのビルのオーナー。その息子さんの現オーナーも客席に。

ここでチラシの「シアターセブンにもゆかりの深い」てコピーに繋がるのよね。

昭和5年のキネマ旬報…あってんね?…優秀映画投票第1位だけあって1時間半ダレ場なし。

これがね、社会主義の影響の強いプロレタリア映画…これを当時は傾向映画と呼んだんやそぉな。

もぉね。不幸の連続。すみ子ていう女の子の話なんですけどね。山田とちゃうよ。

はじめお父さんが自殺を隠して娘を弟の家に預けるの。叔父さん夫婦は手紙に入ってた金だけとって下女扱い。挙句の果てに曲芸団に売り飛ばす。団長の横暴と搾取に堪りかねた団員が団結して反乱を起こして新ちゃんとすみ子は逃げるのよ。ほんで途中すみ子の知らないところで新ちゃんは車に轢かれて知らないうちに病院へ。

1人になったすみ子は放浪の末、スリの手先になって警察に捕まる。「お前は猿回しの猿だ」とかいわれてんだけど、警察の世話で養護院→県会議員の家→琵琶の師匠の家と転々とすんだけど、必ず酷い目に会うの。

琵琶の師匠の家に住んでる時にね、たまたま前の家の軒先に雨宿りしてた新ちゃんと会う。

んで師匠に手籠めにされかけて、その家を出て新ちゃんの家へ…同棲状態。

ここで束の間の幸せのひと時なんだけど…新ちゃんの劇団がつぶれちゃう。

もぉダメら…パトラッシュぼくはもぉ疲れたよ…

新ちゃんとすみ子は二人で海へ身を投げる…

海へ身を投げた時に…たまたまその下を西川の布団を積んだ船が…て訳ではないが、漁師にすみ子だけ助けられて、教条的な教会「天使院」へ入れられる。

そん時に新ちゃんが生きてることを知らされて、出所する仲間にいわれて書いた手紙が園主にバレて。

皆の前で罪の告白を強いられる。

もぉすみ子ブチ切れ。神様なんかあるもんか!てんで教会に火をつける。

こっから字幕のみだけど、頼光さんの活弁が凄い。

警察に捕らわれるすみ子の後ろ姿…「何が彼女をそうさせたか」。

いやいやいやいや…初演とは思えぬ出来栄えで。入りこんでしまいました。

考えたら仁智師の「ハードラック」なんですよね。生きても上手い事いかへんし、死のぉと覚悟したら助かる。もぉ資本家やら宗教家やら政治家やら権威やらは皆自分勝手な悪だ!プロレタリアートのみが搾取されて不幸になっていくんだあ!て作品。

あとで富五郎で呑みながら話しててんけど、これは活弁の力、ライブの力でね。

こんだけ不幸の連続は家でDVDやったら早回しで観てたかも知れん。んで早回しで観てたら印象もだいぶと違ったと思う。

忍耐の向こうにある満足感。…オレも傾向映画に影響されたか?

いやいや。面白かったてより凄かった。あっちゅう間の80分。

また行くぜよ。

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