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ケイスケの非日常

「何してんだ、小百合さん?」

「きゃっ!?あ、あら、柘植さん?」

床に四つん這いになってソファの下を覗き込んでいた小百合は突然声を掛けられ飛び上がった

「やだわ〜、とんでもない所を、見られちゃったわね」

別にオッサンがどんな格好してようが全く興味は無いからどうでもいい

「すみません。先生はまだ…」

「ああ、いいんだ。近くに来るついでがあったんで、頼まれてた書類を、置いて行こうと思ってよ」

「まあ、ありがとうございます」

「で、何してたんだ?」

「…ケイスケが、ハンストを始めちゃって〜」

ソファの下で不貞腐れている我輩は雉虎の猫であるニャ

「社長に、置いて行かれたものだから、拗ねてるんですよ」

そうなのニャ!

探偵は恋人と二人で旅行に行ってしまったのニャ

我輩はこのマッチョの厚化粧のオッサンと留守番にされたのニャ〜

ヒドイのニャ〜!

「探偵さん、猫を飼っているんですか?」

はにゃ?

客はあの目付きの悪いオッサンだけじゃニャい?

我輩のカワイコちゃんレーダーがピコピコ反応してるニャ

「ニャ〜?」

事務所に不釣り合いなキャットタワーを目にし勝海が質問をするとソファの下から猫が顔を覗かせた

「あ〜!可愛い〜!おいで、おいで」

かっカワイコちゃんっ!!

我輩のストライクニャ〜!

猫はまっしぐらに勝海の元へ走って来た

「わあ、毛並みふわふわ〜。人懐っこいですね〜?」

ああ〜スベスベのほっぺニャ〜気持ちいいニャ〜

勝海に嬉しげに頬擦りをする猫に柘植が訝しげに眉を寄せる

「猫って、もっと警戒心が強いんじゃねえのか?」

オッサンは黙ってろニャ無精髭でザラザラのほっぺはキライニャ〜

柔らかスベスベ〜ゴロゴロゴロ…天国ニャ〜ァ

「用は済んだし、帰るぞ、かつみ?」

ニャニャ!?

かっ帰るならお前一人で帰れニャ!

カワイコちゃんは置いていけニャーッ!

「うん、それじゃあ、お邪魔しました、小百合さん。猫ちゃん、バイバイ」

ええーっ!?そっそんニャ〜ァ

ぷにかわほっぺのカワイコちゃ〜ん!

カムバーック!マイ・エンジェル〜!

ケイスケの悲痛な心の叫びは届く事はなく

束の間のオアシスは蜃気楼のように消えたのだった

*おしまい*